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M&A戦略を担うキーパーソンが語る、SmartHRで『会社を変えていく』醍醐味

SmartHRは、2025年4月に業務委託・フリーランス管理クラウド「Lansmart」を提供する株式会社CloudBrainsの発行する全株式を取得し、同社をグループ会社化しました。業務委託・フリーランスの方々を対象とした管理サービスの提供が新たに可能となることで、コーポレートミッションである「well-working」の実現を推進し、より統合的なバックオフィスソリューションへと進化していきます。

今回は、このM&Aをリードしたコーポレート戦略本部本部長の長谷山京佑さんにインタビュー。M&Aの裏側についてお話しいただくとともに、コンサル、CFOのキャリアを積んできた長谷山さんが、スケールアップ企業として急成長を続けていくSmartHRで働くことの面白さ、醍醐味についてもお伝えしています。

この記事に登場するメンバー

  • CFO直下 コーポレート戦略本部

    長谷山 京佑(はせやま きょうすけ)さん

    2024年10月

    入社

    「この会社を変えよう」という意思さえあれば、驚くほど変化していく会社。チャレンジの結果がビビッドに返ってくる環境は刺激的でおもしろいです。

大学院卒業後、コンサルティング・ファーム/FASにて10年程、戦略策定、事業再生、M&Aアドバイザリー等に従事。2021年、株式会社リチカに入社し2022年よりCFOに就任。資金調達、新規事業立ち上げなどを管掌し、2024年10月にSmartHRに入社。コーポレート戦略本部長として、M&A、戦略的パートナーシップ、中長期戦略の策定などを管掌。

目次

M&Aとコンサルティング、二つの軸足をもったキャリアを活かしSmartHRに参画

ー まずはSmartHRに入社するまでの長谷山さんのキャリアについて聞かせてください。

コンサルティング・ファームやFASのキャリアが最も長くて、10年弱ですね。新卒でABeam M&A Consultingという会社に入社しました。ITコンサルのABeamの子会社だったのですが、M&AのトランザクションやM&Aに関連したコンサルティング・サービスだけやりたいという奇特な人たちが集まった会社で(笑)。

それが入社して数か月ほどで、PEファンドに買収されスピンアウトしました。PEファンドの投資先のコンサル会社として、親会社のPEファンドが投資検討している案件のDDや再生計画策定などハードなPJを沢山経験させて貰えました。それが数年後、PEファンドのEXITでPwC Advisoryに買収され、FASの戦略部門として統合された流れです。M&Aを取り扱う会社に入ったものの、自分の会社自体が複数回M&Aされるとは不思議な縁を感じました。PMIされる側の気持ちをリアルに体感することが出来たことも、今となっては財産に思います。

紆余曲折ありましたが、私のいたチームはM&Aのトランザクションはもちろん、戦略立案からその後の価値創造まで一貫して経験できました。こうした幅広さが現在の土台になっていると感じます。

ー その後スタートアップ企業に転職し、CFOのご経験を積まれたわけですが、どんな思いがあったのでしょうか。

コンサルティングという職業は自分にはすごく水が合っていて。大変ではあるのですが、がんばった分だけ評価もされますし、楽しい10年間でした。ただ30代前半になって、事業会社にチャレンジしないままキャリアを終えたら、後年きっと後悔するだろうなと。経営の当事者として意思決定していくプロセスを経験したいと思うようになって選んだ道です。

転職先では4年弱、アーリーステージのSaaS企業のCFOとして、複数回の資金調達を実行しました。資金調達が落ち着いたフェーズからは、事業部門を統括する役割にシフトしたり、生成AIを組み込んだ新しいプロダクト作りをしたりと、良い経験をたくさん積ませて貰えました。

M&Aとコンサルティング、軸足が二つというのはある種器用貧乏に陥ってしまうかなと思う面もあったのですが、事業会社のマネジメントは必要なことは何でもやらないといけない節があるので、そういう意味でも幅を広げておいて良かったなと思います。これに小さい会社ながら経営の意思決定を自ら行う経験も加えることができました。

SmartHRではこれらすべての経験が活かせています。まだ入社して半年ですが、「自分のこれまでのキャリアの伏線を回収できている感があるな」と感じているところです。

CloudBrains社のM&Aの背景にあるミッションと思い

ー SmartHRに入社してからの長谷山さんのお仕事について聞かせてください。

私が管掌しているコーポレート戦略本部では、大きく二つの業務に取り組んでいます。一つはSmartHRが行うM&A全体の管掌、もう一つは会社の中長期戦略の策定・執行です。SmartHRは現在従業員1,400名規模までスケールアップしていますが、今後も成長を加速していくために、2024年末に中長期戦略の大方針をまとめました。

ー 長谷山さんは2024年10月入社ですが、その年の経営戦略策定に参画したんですね。

はい、入社した当日にブリーフィングがあって、中長期戦略策定をリードしてくださいと(笑)。

でもその過程で、会社の課題がどこにあるのかをさらに知っていくことになり、会社を深く理解する上で、自分にとってはこの上ないオンボーディングになりました。なによりCxOと議論する機会が格段に増えて、これから一緒に働く仲間との距離もすぐに縮まったのはすごくラッキーでした。

ー そして2025年5月に発表した株式会社CloudBrainsのM&Aも長谷山さんがリードしました。

業務委託・フリーランス管理クラウド「Lansmart」を提供する株式会社CloudBrainsの発行する全株式を取得し、同社をグループ会社化しました。SmartHRはこれまでにも事業譲渡という形でM&Aを行ってきましたが、株式を100%取得してグループ会社化したのは今回が初めてのケースです。

ー 今回のM&Aの目的を聞かせていただけますか。

SmartHRのミッションである「well-working 労働にまつわる社会課題をなくし、誰もがその人らしく働ける社会をつくる。」を実現するために、新たに領域を広げて統合的なバックオフィスソリューションに進化させていこうという意思が背景にあります。

これまでSmartHRが提供してきた労務・タレントマネジメントのソリューションは、主に正社員やパート・アルバイトなど直雇用の方々を対象としたものでした。フリーランスや業務委託など働き方の多様化が進んできている今、SmartHRとしても、より多くの方の働きやすさを高めていくためにこの領域に注力していく意義を感じ、CloudBrainsと協業していく意思決定をしました。

ー 2024年にはフリーランス新法が施行され、国としても環境整備が進んできていますね。

フリーランス新法では、発注事業者にさまざまな義務項目が設けられました。業務効率化はもちろんのこと、企業コンプライアンスの観点でもしっかり管理体制を整える必要が高まってきたわけです。フリーランス新法が追い風となって、フリーランス・業務管理ツールの導入は「あったらいいよね」ではなく「あらねばならぬ」のニーズへと高まってきています。

ー SmartHRのミッションとしても、社会的な潮流としても必要なM&Aだったのですね。今回のM&Aで長谷山さんはどんな役割を担い、またどんな困難な点がありましたか。

私たちのチームは、M&Aのプロジェクトマネジメントを担います。ビジネスを精査し、主要な取引条件を取りまとめ、全体の差配をしていきます。M&Aの際には法的、財務的、セキュリティ的リスクなどを幅広く精査しなければならないので、法務や財務、セキュリティなどほかの部署も巻き込んで10〜20名のチームをつくるのですが、そのコーディネートも担当します。

SmartHRにとっては初めての株式譲渡を伴うM&Aでしたが、トランザクション自体に大きなハードルはありませんでした。コーポレート戦略本部以外に目を向けても、法務や財務の担当者は大手渉外弁護士事務所や投資銀行、監査法人出身のメンバーがおり、M&Aの経験が豊富です。会社としては初めてのことでも、チームとしては大きな心配もありませんでした。

ディールそのものも、CloudBrains、SmartHR双方が当初から互いに良いイメージを持っていましたし、お話しするたびに一緒にやっていく未来が描けていって。それでお互いいい形でゴールを迎えられました。

ー 今回のM&Aの過程でSmartHRならではの特徴を感じた場面はありましたか?

本件以外にも複数件のディールを並行して検討していましたが、取締役会での議論は毎回示唆に富んだものでした。社外役員にはM&Aに関して豊富な経験を持つ方々がずらっといて。チームが深く検討した内容に対しても、多角的な視点で深いフィードバックをもらえます。私たちにとって非常に学びになりますし、経営を進めていく上でも、取締役会の役員構成が大きな強みになっていると実感しました。

また、SmartHRは社員数名からスタートして短期間に1,400名規模にまで成長してきました。さまざまなステージの会社に対して、そのフェーズごとにノウハウをお伝えして成長を支援していくポテンシャルを持っていると思います。今後、M&Aの件数もどんどん増えていく過程で、M&Aとその後の統合プロセス(PMI)の経験を重ねながら、成長支援のノウハウも整備していきたいと考えています。

「SmartHRは仕上がった会社」ではない─自分の力を活かして、会社の成長にさらにドライブをかける余地がある

ー ここからは長谷山さん個人のキャリアや思いについて聞いていきたいと思います。SmartHRに入社したのはどんな経緯からですか?

コンサルティング・ファームから事業会社に転職する際は、経営に近いところでチャレンジしたいという思いがあり、アーリーステージの会社に行きました。実際、入社時30〜40名規模から100名超に成長するフェーズにあって、財務全般に加えてビジネスサイド、新規プロダクトのリリースまで経験し、自分としても学びの多い4年弱でした。

ただ、小規模な会社をグロースさせていく中で、やっぱり経営は面白いと手応えを感じながらも、もっと大きな会社で大きな仕事をしてみたいというのも関心事として持っていたんですね。それで転職を考えるようになって。当時、SmartHRはエージェントに紹介された一社ですが、実はあんまり興味がなかったんです。

なんというか、「もうできあがった会社」に見えていたんですよね。日本の未上場スタートアップの中でも類い稀なる成長を実現していて、しかも雰囲気のいい会社に見える。経営陣のメディア露出や発言も注目されているし、外から見ると、こんなに成功している会社だし、自分が差分を出して価値提供出来る余地はあんまりなさそうだと思っていたんです。

そんな感じだったので一応話を聞いてみようかな、というくらいの思いで臨んだ面接でした。でも採用プロセスでCFOの森さんと話をして、すべて覆されました。将来この会社をどこまで大きくしようとしてるのか、つまびらかに話してくれ、それが自分にはビビッドにはまりました。

SmartHRが2030年までに目指す山はとてつもなく大きく、高いこと。今は労務やタレントマネジメントなどHR領域に限られているように見える事業も、今後かなり積極的に多角化しようとしていること、そのためにはM&Aも今後ますます必要になってくること。このことは、ボードメンバーともしっかり議論しているし、CFOである自分自身もこれを本気で実現しようとしている、と森さんは熱っぽく話してくれました。

これを聞いて、自分が抱いていたイメージとは全然違うなと。すごい勢いで成長してきて完成された企業に見えるけれど、今が完成形なのではなくて、さらに高い山をさらにギアを上げて登ろうと本気で考えている。CxOの誰もが、変化することに恐れがない。その中でM&Aを担うポジションが今空いていて、自分がその差分を埋められるなら、スケールアップしている企業にさらにドライブをかけるための貢献ができるチャンスだ。そう思って、SmartHRに加わることを決めました。

ー 入社してからはいかがでしょうか。良くも悪くもギャップはありましたか?

嬉しいサプライズは、想像していた以上に合理性を重んずる会社だったところですね。どんなレイヤーの会議体でも、しっかり論理的に考え、筋を通して意思決定することが徹底されています。コンサルティング・ファームがバックグラウンドの私にもすごくフィットしています。

そしてもう一つ素晴らしいと感じるのは、取締役会が世にいう「シャンシャン」系ではまったくないことです。

SmartHRの取締役会は、議論する場面になれば経営陣、社外取締役、監査役、皆さん真正面から正論をかわし、「正しきことをやっていく」ところに非常にパワーをかけてくれます。これなら会社として軸をぶらさず、やるべきことに正しく向かっていくことができそうだなと思えたのは、自分にとってすごく喜ばしいサプライズでした。

正しくガバナンスが効いていること、論理的な意思決定プロトコルが執行レイヤーに行き渡っていることは、持続的に企業価値を上げ続けるうえで無くてはならないものですよね。

「この会社を変えよう」という意思が打てば打つほど響く、チャレンジングで面白い環境

ー コーポレート戦略部長としてSmartHRのM&A、そして経営戦略をリードしていく立場から、今後の展望も聞かせてください。

M&Aに関しては、2024年末に策定した長期戦略を踏まえ、事業領域ごとにさまざまなニーズが拡大しています。多数のM&Aニーズに対してアドホックに取り組むのではなく、投資領域の優先度やポートフォリオ全体の財務許容度など体系的に管理していく必要が出てきます。25年前半にこれらをM&A戦略として一体的なパッケージに整理することが出来たので、より自信を持って個別ディールを進行できるようになってきたと感じます。

また中長期戦略のほうは、やっていくことは山ほどあります。今後の課題としては、多角的な事業を展開する会社経営に経営チームが慣れていくことが大事だと考えています。

これまでSmartHRは、労務とタレントマネジメントという二大プロダクトがあり、非常に競争力があるので、いわば相似形で事業が拡大してきました。今後もこれまで以上に猛烈な成長を続けていくわけですが、HR領域の単一事業経営から複数の事業領域を経営していくにあたっては、経営チームの思考や意思決定プロセスも、経営管理や戦略の立て方も変わってきます。一つひとつの事業で上場できるくらいの規模のものを何個も作ろうとしている中、そこを牽引していける経営人材を何人集められるかが勝負だと思っています。

ー これからのキャリアについて考えている方に、長谷山さんから伝えたいメッセージはどのようなことでしょうか

勢いのあるスタートアップでも、当社のように1,000名を超える規模になってくると、意思決定や変革のスピードが落ちてくるケースがままあると思います。でも私がSmartHRに入社して一番驚いたのは、先ほどもお話ししましたが取締役会のあり方で。正しき経営を行うことにガバナンスが効いていて誰もが正面から向き合っていますし、CxOの面々も変化することに全然恐れがない。

こういう経営体制があるということは、正しきことは通るということです、しかもスピーディーに。打てば打つほど響く会社であるとも言えます。これからジョインする方たちにとっても、自分が培ってきた経験や能力を100%活かして、「この会社を変えよう」という意思と提言さえあれば、驚くほど会社は変化していく。経験やキャリアがある方にとってこれほど面白いことはないと思います。

私自身も外から見ているうちは「できあがっている会社で自分の入る余地はない」と思っていたわけで、そこの認知は変えていきたいんですよね。

また、中長期戦略の中でM&Aは中核的なテーマの一つです。自分がリードして、M&Aによって企業価値を何百億、何千億円と引き上げていくチャレンジは、職業人生の中でも非常に価値のあることだと考えています。自分のキャリアとしても会社のフェーズとしても、本当にいいタイミングでジョインできたなと感じています。

なんでもチャレンジできて、その結果がビビッドに返ってくる環境はとても刺激的です。腕試しをしたいと考えているハイレイヤー層の方にも、ぜひ今のSmartHRにジョインしていただきたいですね。

編集・写真/@okie

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