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開発者として、ユーザーの課題解決に誠実に向き合い続ける — 小林 悟朗さん

2023年10月にSmartHRへジョインし、情シス開発部マネージャー兼ID管理機能ユニットのチーフとして活躍する小林さん。
「ユーザーに誠実であること」を信条に、失敗も成功も糧として、常に「何のために開発するのか」を問い続けてきました。
SmartHRではIdP機能の開発を通じ、従業員データを活かしたサービスで社会課題を解決することを目指しています。そんな小林さんに、開発者としての信念と挑戦の歩みを伺いました。

この記事に登場するメンバー

  • 技術統括本部/ESP・情シス開発本部/情シス開発部

    小林 悟朗(こばやし ごろう)さん

    2023年10月

    入社

    サービス開発は、どんなときもサービスの先にいるユーザーのことを第一に考える

どんなときも、サービスの先にいるユーザーのことを第一に考える

2023年10月、メタップス社の「メタップスクラウド」事業がSmartHRへ譲渡されたことに伴い、私はSmartHRにジョインしました。SmartHRに出会うまでの二十数年間、エンジニアリングにまつわる様々な経験をしてきました。

私のエンジニアとしてのキャリアは、新卒で入社したカード決済代行会社から始まります。そこで4年ほど勤めたのち、オンライン予約サービスを提供するWeb系のIT企業へ転職し、約9年間在籍。最終的には、開発部門の責任者を務めました。
マネジメントや事業責任者を担う中で「もう一度、自分の手で開発したい」という思いが強くなり、株式会社メタップスへ転職します。再びエンジニアリングを通じた課題解決に取り組むうちに、新しい領域や役割への挑戦意欲が芽生え、セキュリティ系スタートアップに役員候補として入社します。取締役CTOとして、開発部門とマーケティング部門を管掌しました。

CTOとしての3年を経た頃、当時のメタップス社社長から「IDaaSに挑戦したいので戻ってきてほしい」と声をかけられ、再度メタップスへ。二度目の在籍時には、現在のSmartHRのIdP機能の前身となる「メタップスクラウド」の開発を手がけました。

現在は、SmartHRSmartHRの技術統括本部にて、情シス開発部のマネージャー兼、ID管理機能ユニットのチーフを務めています。

これまでのキャリアについてお話しするgoroさんの写真

新卒から現在まで、一貫してエンジニアリングに携わってきましたが、振り返ると、私は常に「ユーザーと向き合う」姿勢を大切にしてきたと思います。

特に印象に残っているのは、2社目に在籍していたオンライン予約サービスを展開するWeb系のIT企業での出来事です。
私が入社した当時、エンジニアは6名しかおらず、全員が幅広い業務を担当していました。
私自身も、エンジニアでありながらユーザーさんからのメールに直接返信したり、店舗を掲載してくださっているお客様の課題を現地まで聞きに行ったりと、普通エンジニアがやらないような仕事をたくさん経験しました。
ユーザーさんと直接やりとりをする機会が多かったこともあり、自然とユーザーファーストの気持ちでプロダクト開発に取り組む姿勢が身についたと思います。

特に印象的だったのは、システム障害でお客さまのもとへお詫びをしに行った時のことです。
謝罪をしに伺ったのに、お客さまから「頑張ってください」「いつもありがとうございます」と優しい言葉をいただき「こういう人たちのために、もっと良いサービスを作りたい」と強く感じました。

インタビューを受けるgoroさんの写真

他にも、「開発はユーザーに向き合うべきだ」と痛感した出来事があります。それは、サービスの大幅リニューアルでの失敗です。

当時の少人数のチーム構成では、内製だけで大規模な開発をするのが難しく、サイトのリニューアルに伴い初めての大型外注に踏み切りました。しかし、それが裏目に出てしまったんです。

それまでは関係性の深いチームメンバーのみでやってきたこともあり、直接会話せずともお互いの考えを理解できる環境でした。「ユーザーを第一に考える」という価値観も共有できていて、自然と同じ方向を向いて開発に取り組んでいました。
そのため、外注先を巻き込んだ開発体制でも、大前提であるプロジェクトの目的をはっきりと言葉にしないまま企画を進めてしまったんです。

「何のためにやるのか」という共通認識を持てなかったことで、意思決定のたびに、その場で調整がしやすい方向へと流れていくことに。
本来であればユーザーに向き合って決めるべきところを、社内とパートナー企業の都合だけを考えた、全く本質的ではないプロジェクトになってしまっていたんです。

開発の途中でチームが噛み合っていないことには気付いていましたが、プロジェクト全体が「一気に作って一気にリニューアルする」という形をとっていたことから、途中で止めることもできず、投じたお金を全部捨てて外注をとりやめ、いちから内製でやり直すしか方法がない、という状態に……。
しかし当然そんなことができるはずもなく、失敗するとわかったまま最後まで走り切るしかない状況は、本当に苦しかったです。

この経験から学んだことは、プロダクト開発では、ユーザーに向き合い「何のためにやるのか」を明確にしたうえで小さく開発を行い検証を重ねることが非常に重要だということ。
当たり前のことですが、このとき改めて身に滲みました。

インタビューを受けるgoroさんの写真

お客さまの声を聞き、課題解決ができたとき、初めて良いプロダクトができる

約9年間勤めたその会社を退職し、メタップス社での開発経験を経た私は、新たなチャレンジとしてセキュリティ系のスタートアップ企業へジョインします。CTOとして会社やお客さまに向き合う経験はとても貴重なものでしたが、入社当初はとても大変だったことを覚えています。

私が入社を決めた時、ちょうど初めての資金調達が終わったばかりで、これから会社がどんどん成長していくという段階でした。しかし、入ってみたら想像以上の大赤字で、このままだと8か月後には倒産してしまう、という状況だったんです。
サービス障害が頻発し、返金が大量発生。まともに売上が上がらないのにコストは膨れ上がり、顧客からの信頼も地の底……。

あまりの事態に一瞬絶望しかけましたが、嘆いていても事態が変わるわけではありません。覚悟を決め、徹底的に課題に向き合うことにしました。

まず、サービス障害の原因になっていそうなもの、インフラコストが高くなっている要因を全て洗い出し、一つひとつ潰していきました。さらに、主要な取引先に毎月出向き、改善のロードマップや導入効果のレポートを説明し、信頼回復に努める日々。

地道で苦しい対応でしたが、顧客に向き合えば必ず道は拓けると信じて取り組み続け、結果として、入社から3ヶ月で黒字化までもっていくことができました。
これは、自分の役割にとらわれずにお客さまの声を聞き、課題解決のためにできることを全てやりぬいたから達成できたことだと思っています。

どれだけ技術的に優れていても、サービスを通してユーザーの課題を解決していなければ意味がありません。
ユーザーの声をできるだけ直接聞き、改善を重ねることで初めて良いプロダクトができるのだと、私は思っています。

インタビューを受けるgoroさんの写真

SmartHRの開発チームは、常にユーザーの方を向いている

セキュリティ系スタートアップでの怒涛の日々の経験を経て、私はメタップス社へ二度目の入社をします。
当時のメタップス社の社長から「IDaaS※をやりたい。世の中には急速にSaaSが増えていて、今後IDaaSは絶対に必要になる。だから戻ってきて作ってほしい」と頼まれました。
その時の私はIDaaSについて全く詳しくなかったのですが、手を動かし学びながら、0から「メタップスクラウド」を作りました。

※「Identity as a Service」の略。クラウド経由でSaaSサービス等のIDやパスワード、権限設定を一元管理するサービスを指す

現在のお仕事についてお話しするgoroさんの写真

そして、私は現在、SmartHRでIdP※機能を開発しています。
私がメタップス社時代に試行錯誤していたことや「もっとよくできる」「次があるならこうしよう」と思っていたことを、もう一度SmartHRでやり直すことができているんです。エンジニアとしてとても貴重な経験をしているなと、日々感じてています。

※「Identity Provider(アイデンティティプロバイダー)」の略で、クラウドサービスなどの認証を一元管理するシステムを指す

SmartHRの開発チームは、組織全体が常にユーザーの方を向いています。
サービス開発に取り組む際には「SmartHRが、今このサービスを作る意味を考えよう」と、必ず目的を共有し合いながら企画を進めているんです。

例えば、私のチームが取り組んでいるIdP機能の開発ではSmartHRがIdPを提供する意味を「お客さまの従業員データとログイン環境を活かしたサービスであること」だと考えています。
SmartHRの人事・労務クラウドサービス機能をご利用いただいているお客さまは、自社の従業員データをSmartHR上で管理しています。そして、その従業員の皆さんには必ずアカウントが付与され、ログインできる環境があります。
この強みを最大限に活かせるサービスこそが、ユーザーが求めているものであり、私たちが開発する意味なのだと思います。

これからも、お客さまが本当に欲しいと思うサービスに向き合い続け、価値のあるサービスを生み出していきたいです。

信念を持つこと。誠実であること。バランス感覚を持つこと。余裕を持つこと。

働く上でのモットーを与えてくれた本があります。
『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙(著:G.キングスレイ・ウォード)』という本です。1社目で開発部の部長になった頃からずっと読んでいて、もっと早く読んでおけばよかったと思うくらい、社会人としての振る舞いや考え方が詰まっています。

この本から学んだ、誠実であること、継続すること、失敗から学ぶこと、人間関係を大切にすること、そして信念を持つことは、ずっと大切にしている価値観です
仕事をするうえでは、自分なりの信念を持つことが重要。しかし決して頑固にはならず、人の話に耳を傾け、コツコツと誠実にものごとに取り組む。そういった姿勢を、この本から学びました。

書籍『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』の写真

SmartHR社内にも、強く影響を受けた方がいます。VP of Engineeringの齋藤さんです。
齋藤さんは、私が今所属しているチームの立ち上げ時、チーフもマネージャーもダイレクターも兼任していて、どうやってすべての役割を回していたのか不思議に思っていました。

誰よりも忙しいはずなのに、常に明るく、怒らない。メンバーに任せるところと自分で決めるところのバランスや、期待の明確化がとても上手なんです。
チームの動かし方や、自分自身の行動など、齋藤さんをお手本にしている部分がたくさんあります。目の前のエンジニアで「この人を目標にしたい」と思えたのは、齋藤さんが初めてでした。

振り返ってみると、仕事において大切にしている価値観を、さまざまな出会いから学ぶことができたんだな、と感じています。

書籍『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』を読むgoroさんの写真

SmartHRだからこそ実現できる、IdP領域での社会課題の解決

私がSmartHRに来たのは、メタップスクラウドで達成できなかったことが、ここでなら必ず実現できると思ったからです。
IdPサービスは、企業課題を解決できる社会に必要なサービスですが、メタップスクラウドではうまくスケールしきれませんでした。

先ほども述べましたが、SmartHRにはお客さまの従業員データやアカウント情報がすでにサービスに紐づいているという強みがあります。この強みを最大限に活かすことが、多くの人にIdPの価値を届ける鍵になります。

SmartHRでのこれからのお仕事について語るgoroさん

私は、SmartHRを、人事・労務やタレントマネジメントの枠にとどまらず「情シスといえばSmartHRだよね」と言われる存在までスケールさせたいと考えています。
この実現は、私1人では決してできません。仲間の力を借りて、一緒に作り上げていきたいと思っています。

目的を明確にし、その先にいるユーザーのことを常に考え続けること。SmartHRなら、それが実現できる環境がある。だからこそ、プロダクトを通した社会課題の解決に本気で取り組めると確信しています。

取材・文/@ishimayu(カルチャー室)
写真/@Miranda(カルチャー室)

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