現在の業務
労務領域のプロダクト価値を最大化するためのプロダクト戦略の立案や、新規プロダクトの検討、組織運営など。
目次
同じ仕事に向き合うことが、お互いを理解する一番の近道
2019年の1月に、プロダクトマネージャー(以下PM)としてSmartHRに入社しました。その時のSmartHRでは今でいうところの「基本機能」と数個のオプション機能のみ提供していました。
「基本機能」は、はじめは小さな開発チームだったのですが、どんどん大きくなっていき、複数の開発チームが必要な規模になった頃、当時プロダクトオーナーだった芹澤さんの後任として自分が機能全体を見るようになりました。
PM組織の中では、しばらくはチーフとしてPMチームのマネジメントを行っていましたが、2024年の1月から労務領域全体を統括するDirectorの役割を担っています。
マネジメントをやりたいという強い気持ちがあったわけではないのですが、組織規模の拡大や人事戦略の変化とともに必要に応じて役割を持つようになりました。

Directorの立場で労務領域全体を見るとなると、それまで交流の少なかったPMメンバーとも協働していくことになります。たくさんの人と「同じ方向を見ることの難しさ」という壁にぶつかったのはその頃でした。
「労務領域の価値最大化」という共通の目的はあるものの、まだ関係性の土台のない状態では抽象的なビジョンを共有することは難しく、戸惑いながら正解を探す日々でした。
少しづつ事態が変わってきたのは、労務領域のOKR(目標管理フレームワークのひとつ)を設定しはじめた頃です。
領域のOKRという具体的な目標を掲げるにあたって、目指すべきところ、そしてそのために必要な要素を洗い出していきました。その過程で、他のPMメンバーにも協力してもらいながら進めることができ、これまで接点の少なかった方とコミュニケーションをとる機会になりました。この頃にメンバーとの距離がぐっと近づき、お互いに助け合ったり意見を出し合ったりする機会が増え、徐々に同じ方向を見ることができるようになったと感じています。
これは常々思っているのですが、結局、業務で関わることが一番のコミュニケーション機会になると思っています。飲み会や決起会も大切ですし、効果もあるとは思うのですが、やはり同じ目的に向かい、対話を重ねることが一番早くお互いを理解できると思っています。
最初に比べて、組織はかなり活性化できている状態だと感じています。
「労務領域の価値最大化」という目標に対しても、今ではさまざまなメンバーが議題を持ち込んでくれています。
横ぐしの通った連携が可能になったことで、これまでは機能ごとにバラバラだったロードマップが労務領域全体で描けるようになってきました。
今後は機能追加や個々の改善だけでなく、プロダクト横断でも良い体験を作り、さらにサービスの価値を高めていきたいと思っています。
自分を基準にせず、相手の視点や立場をふまえて対話する
コミュニケーションにおける学びといえば、Directorに就任する少し前にも、大切な気付きを得られた出来事がありました。
当時、「基本機能」に関連するプロダクト領域が多岐にわたることから、混乱や優先順位決定の困難さが生じていました。そこで、担当領域を「労務」「タレントマネジメント」「基盤」に再定義し組織変更する、というプロジェクトを提案・推進していたのですが、大きなプロジェクトだったため、とにかく何から始めていけばいいのかわからず、なかなか具体的なアクションが起こせずにいたんです。
どんな形に組織が変わるかという変更内容に加えて、様々な立場の人に目的までを深く理解してもらうのにはとても苦労しました。
次第に、なかなかプロジェクトの意図が伝わらず、理解が得られないのは、それぞれの立場でのそもそもの目線が揃っていないからだと気がついたんです。
そのため、まずは前提を揃えなければならないと思い、エンジニアチームとPMチームのそれぞれの理解を得られるよう、話をしていきました。
エンジニアサイドは、チーム単位で疑問点や懸念を出してもらったりと、みんなが考えていることにも耳を傾け、何度も丁寧に対話を重ねました。
一方でPMチームは、プロジェクトを前に進める仕事をしているということもあり、一度腹落ちしてしまえば、その後はとても精力的に協力をしてくれるようになりました。
それぞれの現状をかんがみて、私から一方的に話をするだけではなく、なぜ今組織再編をしたいのか、それによって何を達成したいのか、私が考えていることを、できるだけ具体的に共有し理解を深められたことで、全体が同じ方向を向き始め、組織再編プロジェクトの最初の難所を乗り越えられたと思っています。

後から振り返ってみると、当初の私は自分の理解度を基準にしてコミュニケーションしてしまっていたところがあったなあと反省しています。
比較的最近入社した人も多く、前提情報も見えている景色もそれぞれ全く違う人たちに全員に対して一度の説明で理解してもらうのはとても難しいことでした。
相手の視点や立場になって考え、何を成し遂げたいのかを丁寧に伝えることを徹底し、丁寧なコミュニケーションによって叶えられた相互理解は、プロジェクトにとってとても重要な要素となりました。
共感をベースに、『ヒト』と『コト』を切り分けて答えを提示する
難易度の高い仕事をしているとき、いつも一度投げ出したくなります(笑)
でも、仕事なので逃げずにやるしかないんですよね。
そういうときは、過去のつらかったことを思い出して「そのつらかったことはずっと継続していたか?」と自問自答しています。
そうすると、その時はつらくても、「いつものやつだな」と自分の思考を俯瞰してゴールに到達するための一通過点として捉えることができるんです。
周囲の人に相談したり、話しを聞いてもらったりすることもあります。
頭では「いつか必ず乗り越えられる」と思っていても、やっぱり周囲に誰も理解者がいないとつらいと感じる瞬間があるからです。
周りに話を聞いてもらって情報を整理したり、共感してもらえたりすると、困難な状況でも安定した気持ちで仕事に向き合うことができます。

そんなふうに私自身、周囲に助けられながら仕事していますが、自分自身も困っている人を助けたいと思う気持ちは、働く上での原動力になっています。
PMとして、プロダクトを通して世の中の人を助けたい、そのために良いものをたくさんお客さまへ提供していきたいという気持ちは何より大きいですし、自分の周りの人が困っている姿を見かけたらできるだけ助けになりたいと思っています。
よく、人の悩みを聞くと聞いている側も疲れてしまうという現象があると思うのですが、どうやら私は、どれだけ悩みや相談ごとを聞いてもエネルギーを持っていかれることがあまりないみたいなんです。
普段からプロダクトに向き合っているので、『ヒトや感情』と『コト』を切り分けて接することが比較的得意なのかもしれません。
なのでいろんな人の悩みを冷静に聞くことができますし、そもそも私は、話すことより人の話しを聞くことが好きなんです。理解者として相手の気持ちに寄り添いながら、少しでも良い影響を与えられたらいいな、と思っています。
SmartHRというチームだからこそ実現できることがある
対話から得られるものは、一言でいうと「信頼」なのかもしれません。
私は仕事をするうえで「信頼」を大切にすることをモットーにしています。相手の話すことが理解でき、共感することができれば、お互いの信頼につながっていきます。
どうしてそう考えたのか、何がしたいのか、といったことが曖昧だと、捉え方に齟齬が生まれてしまう可能性もあります。
その意味でSmartHRの「アカウンタビリティ(説明責任)を大切にするカルチャー」はとてもいいなと感じています。
どのように思考し、どうしてこういうアウトプットになったのか、を誰に対してもちゃんと伝わるような仕事を心がけることで、筋の通った仕事ができます。特にプロダクトをつくるうえでは、筋が通っていないまま生み出したものは必ずどこかでほころびが生まれてしまうものなんです。
ミッションやビジョンと向き合い、人が求めるものを越えたプロダクトを作り続けていくためにも、信頼をベースに説明責任を果たし、自信をもって仕事ができる組織環境が理想だと考えています。

SmartHRという会社は、他のどこにもない強いチームだと思っています。
これまで積み上げてきたデータやサービスの優位性はもちろん、大きなことを成し遂げられる強い組織力も持っているからです。
SmartHRの組織的な特徴は、ビジネスサイドと開発が限りなくフラットな点です。ここまでフラットな状態で1,000人を超える規模になった組織はなかなかないですよね。
たとえば、プロダクトサイドがセールスの商談に同席させてもらったり、気軽に相談できたりと、組織間の摩擦やハードルが限りなくゼロに近く、どちらか一方が抑圧的な力を持っているということもない、まさにワンチームな組織です。
もしかしたら、ここにもアカウンタビリティのカルチャーが影響しているかもしれません。
みんながまっすぐにサービスとお客さまの方を向いていることがわかるので、本当にストレスフリーに仕事ができています。
信頼をもって本質的な話ができること、お互いがお互いへの協力を惜しまないことなど、SmartHRにいると当たり前になっていることも、実は貴重な環境であるということは忘れずにいたいと思っています。
組織の規模がどんどん大きくなっていってもこういうカルチャーは壊さずに守っていきたいです。
SmartHRだからこそできるいろんなチャレンジがあると思っているし、SmartHRだからこそ実現できることがあると本気で思っているので、これからも、世の中を良くするプロダクトを本気で作っていきたいと思っています。
取材・文・写真/@ishimayu





