古池さんが受賞した賞について
新人賞・中途入社部門受賞
入社後早期にバリューに沿った行動をし、スケールアップ人材として光の速さ成果に繋げている人に贈られる賞
目次
まず頭に浮かんだのは、「どうすれば、この機会を、最大の事業貢献に結びつけられるだろう?」、ということ
DMで、SUMMITの新人賞(中途部門)の受賞が決まった、という連絡をもらって、まず頭に浮かんだのが「この素晴らしい機会を活かして、事業貢献度をどうやってマックスにしようかな」ということでした。どんなふうに情報を発信したり、振る舞ったりすれば、周りに影響を与えていけるだろう、と考えたんです。
それから少し時間をおいて、2024年の2月にSmartHRに入社して数ヶ月の間にやって来たことを振り返ってみて、会社の大きな意思決定に対するかかわり方が、それなりに間違っていなかったんだな、と感じました。
授賞式当日を経て、まさか40歳を過ぎて「新人」というタイトルの賞をもらうとは思っていなかったので、その違和感が純粋に面白かったですね(笑)

受賞して変わったことといえば、これまでも、いろいろと相談や壁打ちの依頼を個別にもらうことはあったんですが、目に見えて、DMなどで、声をかけていただく機会が増えました。
企画屋としては、すごくありがたいことなんです。
それに、この会社でもらう相談は、こんなスキルやノウハウ持ってませんか? というものではなく、今こんな企画を立てて新しいことにチャレンジしようとしているけれど、どう進めたらいいだろう、といった感じで、それぞれが考えたことやアイディアをより良くしたい、という視点での相談なのが素敵だな、と思っています。
アイディアをそのままもらおう、という姿勢ではなく、より良くするための話ができてこその壁打ちだと考えているので、相談をくれるみなさんのそういった姿勢がすごいな、と思うんです。
企画の80%はマインド - 経営視点をロックして事業成長につながる企画を生み出す
企画屋として大事にしていることはいろいろありますが、そのなかのいくつかをお話しします。
ひとつめは『企画の80%はマインド』という考え方です。
これはどういうことかというと、企画を考えるうえで、視点の置き方が重要だ、という話です。
企画を考えるにあたって、自分が強みを持っていてやりやすいことや、なんとなくチームでやったほうが良さそうなこと、といった自分たちを起点にした目線で考えるのではなく、SmartHRという会社の事業や経営に対して何をするのか、を起点に考えるんです。私達はSmartHRに対して何を成すべきなのか? を先に見定めて、そのうえで、自分の強みや他人の強みを活かしてどうやるか、を考えていくことで、事業成長につながる企画を生み出しやすくなるんです。自分たち視点で出発してしまうと、どれだけ考えても、どんなかっこいいフレームワークを使っても、事業貢献度は小さくなりがちなんです。
だから企画の80%はマインド、というわけですね。
例えば、チーム単位でやることのように、事業や経営が少し遠すぎる場合は、まずチームの上位組織にあたる部単位で考えてみる。
そういうふうに、自分たちを起点にするのではなく、より大きな視野で「成すべきこと」をみんながまず考えられるようになると、企画も組織ももっとパワフルになるんじゃないかと思います。

僕の最初のキャリアは、研究者でした。その会社のこれまでの歴史にないものを作ってくれ、という命題があり、ドラえもんの世界のようなことを考えてきました。
誰もが、そんなのは無理だ、ということを、どうやって実現するか、を考える仕事です。
とにかくどんどんアイディアを考えて実験したり、段ボールで「プレトタイプ」を作ったりして、そのコンセプトが良いか悪いか、や、今は存在しない顧客の心を揺さぶるか、といったことをみていたんです。
企画職としての原点はそこにあるのかな、と思います。
スピーディな意思決定 - 遅い意思決定は誰でもできる。スピードを上げるために仮説を再構築する
立場上、会社の方針や事業成長に関わる企画提案を担っているので、『スピーディな意思決定』にもこだわっています。
企画を提案し、いち早く意思決定へ導くために「シンセシスに仮説をつくり、多方面から情報をいれこんで、素早く仮説を再構築する」というプロセスを意識しているんです。シンセシスというのは、統合的ということで、単純なロジックではなく、全体を総合的に捉えたときに「要はなんなのか」ということです。
企画を考える際、さまざまな要素を入れ込んで仮説を立てるために、多くの人に意見を聞きます。
そこで大切なのは、「企画は自分がやる」という意思をもつこと。
人間はどうしても「偏った考え」をするものなので、自分には見えていない景色を知ったり、自分の色眼鏡で現実を曲げて解釈していたりということに気がつくために、多くの人の意見を聞いています。なので、相手がくれた情報や見解をそのまま反映するのではなく、あくまでも自分の企画に対して、その「ものの見方」が活かせるかどうかを判断し、いただいた「ものの見方」を使って、自分の企画として改めて練り直します。
多くの人の意見を聞くことと、それをそのまま取り入れることは全く別ものなんですよね。
よくあるのが、せっかく時間をいただいたしな、とか、アドバイスもらったのに反映させないと失礼かな、といった感じで他人の意見をそのまま反映させてしまうことです。それをしていると、いろんなものが混ざった、特徴も競争力もない企画が出来上がってしまいます。
そうではなく、いろんな人から、さまざまな「ものの見方」をもらって、新たな「ものの見方」を通じて、責任を持って彫刻し作り上げる、という意識を持っています。
その分、考えを切り替えたり、仮説を壊して再構築をしたりするスピードは速いです。
自分の立てた仮説は自分で壊す、という感じですね。私とプロジェクトをご一緒したことがある人ですと、先週までに作り上げた仮説が、今週には完全に消え去り、新しい仮説に生まれ変わっているのをみたことがあると思います。
人って、例えば練りに練った企画に対して突然想定外の意見を指摘をされると、温めてきた企画を、固執して守りたいと思うものです。
でも僕は、一瞬「うわっ」と思っても、次の瞬間には頭を切り替えて、あたかもその意見や指摘は自分が考えていた体で、企画の新しい骨子を話し始めることもあります(笑)

どのプロジェクトにおいてもそうなのですが、スピード感を持って進めていくために、ダラダラやらない、というスタンスをロックし、意思決定していきます。
そこで重要なのが仮説力だと思います。
まず自分で仮説を立て、多くの意見を聞いたうえで、企画を継ぎ足しではなく再構築し、自分がこの企画は通すに値すると自信を持てたら進めていく。
遅い意思決定なんて誰でもできるし、合理的に意思決定できる情報が揃うまで意思決定しない、というのは究極の非合理だと思っています。そもそも、情報が揃っている時点で意思決定は必要ないので。
最低限自分が自信を持って進められる仮説が整ったら、やってみる。そういう感覚は非常に重要だと思います。
大きなプロジェクトの最初の一歩は小さく踏み出し、危機感や恐怖を払拭する
企画が完成した段階で、自発的な支援者が生まれている状態を作ることにも、毎回チャレンジしています。
小細工みたいな話ですが、人間は関わった回数が多いほど信頼されるようになります。こちらが持参したアイデアに対して意見を言ってもらうと、「自分が関わった企画」的な感覚が生まれてくるんです。だから、仮説を再構築していく過程でのコミュニケーションをおろそかにしない気持ちで臨んでいます。
企画を進めていくにあたって、チームのなかには保守的な人もいれば、僕のように能天気な人もいる。
能天気なタイプは、とりあえずやってみようか、と考えますが、保守的な人はさまざまな危機感を持っているので慎重に進めたい場合が多い。
どちらがいい悪いではないんです。能天気な方が最初の一歩はスピーディに踏めるかもしれないけれど、危機感のアンテナが弱いので地雷を踏むかもしれない。
だから、最初の一歩目は小さく踏み出して、まずみんながこれならうまくいきそうだ、と思える検証をしてみる、という進め方を意識しています。最終的に目指すゴールと、最初の一歩をどう踏み出すか、はまた別の議論だからです。
例えば、Day1からいきなり多くのリソースを注ぎ込むのではなく、まずは「50万円・2人・1ヶ月」だけ使って小さく検証をする。その小さな検証を経ることで、大きなリソースを投下する自信が高まり覚悟が決まっていく。その検証過程で、保守的な人の感じている危機感や恐怖感が薄らいでいくこともありますし、当初のアンテナの通り、もっと慎重にリスクを考えなきゃいけないのかもわかってくる。こやっていくと、だんだんこれはいけるんじゃないだろうかという思いに変わります。

そういう進め方やコミュニケーションの工夫までいろいろと考えていますが、SmartHRに入社してすごく感じるのは、この会社は「外を向いている」ということ。企画の進めやすさに感動しました。
基本的に大きなプロジェクトは物理的にやらなければならないことがたくさんあるので、肉体的には大変ですが、それは自分がやりたいと思って選択したことなので、滅多なことでは大変だと思いません。
でもこれまでは、意思決定のプロセスが大きく複雑な組織にいたんですが、そういう組織だと、自分が管掌している範囲でしかリスクを取らない人がいたり、事業に対してなすべきことに対して、意味もなくブレーキをかけるような人がいたりして、物事を動かすために精神的な負荷を強いられます。
それでもとにかく動かすしかない、と割り切りながら、思うように動かないストレスと向き合っていました。SmartHRではそういうことがないので、とてもやりやすいですね。みんなが、顧客のように「外を向いている」というのは、本当に、すごいなと思います。
時価総額1兆円で成長率が105%なんてカッコ悪い。それを押し上げる企画力の向上も狙っていきたい
これからも、自分の成長角度と成長量を下げないことは大前提として頑張りたいと思っています。
そのうえで、求心力を高め、もっと遠心力をかけられるようにしていきつつ、2024年は戦略サイドに比重をかけてきたので、スピードを上げ、結果につなげていきたいですね。
また、これまでそれなりに鍛え上げてきた戦略企画力を伝播させることも目標の一つです。2030年に向けて、仲間となる企画屋を増やしていくことができれば幸いです。
「わたしたちの事業は何なのか」「わたしたちの顧客は誰なのか」という問いにも答えないといけないと感じています。ポートフォリオ経営に向かっていくからこそ、2025年はそこを考えたいんです。
実はプライベートで、寺子屋のような実験をしているんです。
今まで働いてきたなかで、企画屋の育成というのは非常に難易度が高いと感じています。言語化が難しいんですよね。
戦略のフレームワークはさまざまありますが、たかが知れているんです。企画の醍醐味は、論理的な帰結ではなく、脳みそにひらめきが降りてくる瞬間だと思います。その面白さをデリバリーしたいんです。それを手法として形にし、自分なりのテンプレを作れたら面白いですよね。
だから、息子の友人たちを相手に、発想力を高める問いを投げかけたりしています。
子どもって、僕が思いつかないようなことをバンバン思いつくので、そのひらめきがなくならないようにしたい。
子どもたちが思いついたことをどうしたら実現できるのかを一緒に考えたり、学校で疑問に思ったことを問われたら正直に答えたりして、子どもがどんな発想を持つのかを見守っています。

2025年の1月から、事業企画から、戦略企画本部になりました。
僕がマネジメントにおいていつも考えているのは、相手の弱みは気にしない、ということ。弱みをどう改善するか、という議論はしません。
チームや部門で目指していることに対して、あなたの強みは? という問いしか投げかけません。弱みをどうするか、というよりは、その強みを活かすために、足かせになっていることを取り払おう、というスタンスです。
なんなら、語弊を恐れずに言うと、自分の弱みも無視しているんです(笑)
自分のミッションは、事業貢献に向けて、自分の強みを最大限に活かすこと。
人間って強みを活かすことを考えると、結構大口を叩けるようになるんです。それってすごく大事なことで、なにかを推進するときに「これはいけますよ」と一旦言ってしまえる度量ってすごくいきてくる。
2030年に向けて事業規模も従業員規模も大きくなると思います。
時価総額が1兆円になったときに、成長率が105%なんてカッコ悪いじゃないですか。時価総額1兆円でも、130%成長していたいですよね。その方がかっこいい。
そこを目指す意味でも、SmartHRの中にもっと強い企画屋が生まれて来ないといけないので、企画力を爆上げできるような施策も検討しています。
そんな感じで、引き続きレバレッジをかけていければと思います。
取材・文/@Miranda(カルチャー室)
写真/@ishimayu(カルチャー室)





