半期MVP・CPO部門|受賞のポイント
AI領域のプロダクト作り・組織作り両面で、職能を越えたリーダーシップを発揮
幅広い領域でAIを活用した機能開発を推進。世の中的にもまだ不確実性の高いAI領域において顧客価値を創出した
AI-OCRは月に600テナント以上が利用、年末調整にも実装予定
AIアシスタントは実証実験を事例化しリリース前に3件受注
その他、今後リリース予定の複数のAI機能開発を主導
AI機能開発を担うPdEの採用にもコミットし、期初1名から半年で組織拡大に貢献。あわせて業務委託の採用にも貢献
法務やSec、Bizとも積極的に連携し、組織の境界を越えた実行力を発揮
説明責任を果たし、事業に対する成果にこだわる
受賞の連絡をいただいたとき、ようやく少しは役に立てたのか、という気持ちになりました。
2025年に入って、エンジニア採用を含むAIの組織作り、成果が出るか不確実性が高い複数のプロジェクトにチャレンジしていました。限界まで挑戦する姿勢で働いていたのですが、正直うまくいくのかずっと不安でした。
入社して5年、さまざまな取り組みをしてはきましたが、自分に対して投下してもらったリソースと比較すると、ROIがあっているのかわからないし、自分は人の役に立っていないのではないかという不安がつきまとう状態だったんです。
この賞をいただいたことで、ようやく客観的に評価される成果を残せたのかな、と思えました。
素直に嬉しかったですね。少しだけ自信につながったかもしれません。
今回の取り組みで特に意識していたことは、大きくふたつあります。
ひとつは「説明責任」です。
あらゆるプロジェクトに言えることですが、中身がブラックボックス化すると、周囲から見て不安の源泉になり、不安が募ると無用な不和と統制、ひいてはプロジェクト停止につながります。
だから、新規プロジェクトはある意味会社から投資してもらっているスタートアップのような気持ちで、説明責任を果たし続けることが重要だと考えています。どのくらい成果が出ているのか、今何がうまくいっていないのか、今後何をしたいのかといった点について、丁寧に周囲に発信し続けることを心がけました。
もうひとつは「事業上の成果にこだわる」ことです。
AIという不確実性の高い新しい取り組みでは、実証実験や慎重なアプローチに終始してしまいがちです。しかしそのうちに「何のためにやっているのか」が曖昧になってしまいます。
R&Dと言い張ることもできますが、本来の目的が忘却され、AIなど技術導入そのものが目的になっていくと、結局やらなくてもいいのでは? となってしまい、関わっている人間としてもモチベーションが下がっていきます。
そこで事業上の成果につながる指標設計、その一方で失敗してもダメージのない適切なプロジェクト選定に注力しました。
最初の成果であるOCR導入では、超小規模なベータ版で試すこともできましたが、それでは何か「学び」は得られても事業には繋がりません。投資に見合うリターンを目指すことは、ビジネスパーソンとして当然の責務ですし、本番で試してこそ真の学びが得られると思っています。あらゆる活動は事業に繋がらなければ意味がないと考えています。
人が欲しがらないものに価値はない。人が求めることにコミットして機会を得る
自ら手を挙げて異動してきてくれた方や、何の実績もない段階からビジョンを信じて入社してくれたメンバーの存在は、心強い限りでした。
正直最初は私の作った構想スライドくらいしか成果物がなく、「AIでSmartHRを最高にしようよ!」と元気よく語っていただけだったかなと思いますが、それでも自分の人生の時間をベットしてくれるなんて、本当にありがたい限りだなと。
信じてついてきてくれたメンバーに対しては「ハズレだった」と思わせたくない、ビジョンを信じてくれたのであれば絶対に良い経験をしてもらいたいという強い思いがあります。メンバーの期待とプレッシャーが、ある意味で原動力となり、頑張ってこれたように思います。
実績のない段階で手を挙げて参加してくれるということ自体が私にとっては大きなギフトでした。
立ち上げに参加してくれたメンバーの皆さんには、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

最近は「自分のやりたいことをやる」という風潮が強まっているように感じますが、大前提、人が欲しがらないものには価値が生まれません。人が求めていることができないと、結局のところ機会も失われていくと思います。
自分のROIをプラスにしつつ、会社にとっても自分にとっても面白い機会をつかんでいく。このスタンスが大事なのでは、と思っています。
正直なところ、自分に投資してもらった分をまだ十分に回収できているとは思っていないので、会社にいる間に投資してもらった価値は返したいなという気持ちで、日々仕事をしています。
「使っていて楽しい」を生み出せば、日本の働き方を変えていける
この仕事をやっていて良かった、と感じるのは、なんといっても実際にユーザーの役に立てたことを実感できた瞬間です。
OCRに関しては、あるお客様が「こんなに楽になるんですね」と評価してくださり、今までCSVで従業員情報を登録していたワークフローを変更し、OCRを何回も活用する方法に切り替えてくださいました。ある意味で業務の基準を一段階上げられたかなと感じています。
さらに印象的だったのは、AIアシスタントのユーザーヒアリングで「使っていて楽しい」という言葉をいただいたことです。仕事の道具であるサービスに対して「楽しい」と感じていただけるというのは、なかなかないのかなと。
仕事が楽しいものになる、日本の働き方を変える兆しになるのではないかと思いました。
結果的に、プロダクトを使って成果が出ることが、使っている人にとって最大のモチベーションになると考えています。これからも、お客様が自身のやりたいことや事業上の成果を実現できるようなプロダクトを作っていきたいと思っています。

私にとって「成果を出す」とは長期的な利益を生み出すことだと考えています。
企業のあらゆる活動は、長期利益を生み出せるかどうかで評価されるべきだと思うからです。
特にAIのような新しい分野では、R&Dによって不確実性を下げることも必要ですが、それだけではダメかなと。その取り組みがしっかりと利益につながるのか、あるいは利益の先行指標となるユーザーの継続利用につながるのかを常に意識する必要があります。自分の仕事がどのように長期利益に貢献するのかを考えることが、真の成果につながると考えています。
また、中間指標や表面的な目標に振り回されないことも大切だと思っています。たとえば「イベント登壇数」という指標は一見良さそうに見えますが、それ自体に意味があるわけではありません。認知度向上という目的があったとしても、それが最終的に採用応募数や内定者数といった実質的な成果にどれだけ貢献したか、が問われるべきだと思っています。目標として設定すべきは事業に関連する入社者数であり、イベント登壇はあくまでその手段となるわけです。
手段と目的を取り違えないよう、常に最終的な成果、長期利益から考えたいなと思っています。
目に見える形で目標を設定し、スコアボードで振り返る
2025年上期に最も大きな学びとなったのは、基礎的な目標管理とKPI追跡の徹底が、実は成果に直結するということです。
まず現状を正確に見定めた上で明確な目標数値を設定し、プロダクトの利活用や採用人数といったKPIを可視化した「スコアボード」を作成しました。このスコアボードを関係者全員で毎週定常的に追いかけ、このままのペースで目標達成できるのかを確認していきました。そして、このままのアクション量では目標に届かないと判断した場合は、すぐにアクション量を増やすなどの介入を行うというやり方を徹底しました。
目に見える形で目標を設定し、それを常に見ながらテンションを上げつつ、自分にできることは全部やるという姿勢で介入を続けていくと、たとえハイボールな目標であっても達成できることがわかりました。意外と目標を決めたら期の途中で振り返らないことも多いかと思いますが、これはよくない。目標は達成するためにあるので。
AI開発部の採用活動やプロジェクト進行において常にこれを実践した結果、最終的には売上などの事業成果にも繋がりました。スコアボードを作り、それを見て介入するという基礎的なサイクルこそが、実は実行において最も大事だということが今回の最大の学びです。

うまくいかないときや、壁にぶつかったときに大切なのは、「言い訳をせず、真正面から現実を受け止める」ということかな、と思います。正直・素直・謙虚、ですね。
例えば、採用が想定以上に厳しい状況だったり、開発が予定より遅れてしまったりというときも、決して外部や他者のせいにするのではなく、「今はこういう厳しい状況なんです」と素直に認めることから始めました。そのうえで、現状をステークホルダーに正直に伝えることで、どう打開するかを生産的に考えられたかなと思っています。
また、目標達成のためには関係者に動いてもらう必要がある場面も多くありました。
そうした時は、多少嫌われることも厭わず、やるべきことを率直に伝えることを徹底しました。
「絶対にやり切った方がうまくいく。その方が良い世界が見られるから」ということを関係者に伝え続け、実際に動いてもらうよう働きかけ続けたことが、自分の持っているミッションを前に進める上で非常に重要なアクションでした。
……正直にいうと、メンタル面ではかなりギリギリで、辛いこともたくさんありましたが、私は仕事を「ある種のゲーム」として捉えることにしていたんです。あくまでゲームはゲームであり、成功するように全力を尽くすという前提で、失敗しても死にはしない、と考えていました。
仕事に全力で向き合うぶん、退勤後はスマホを仕事部屋に置いて一切見ないようにして、子どもが寝るまでは一緒に遊ぶことに完全に集中しています。退勤後も常に仕事のことを考えていそうに見えるのか、意外だと言われるんですが、仕事をゲームだと捉えて向き合っていても、常時ゲームだけをしていると疲れてしまうので、切り替えはバチっとやったほうが自分は集中できるな、という気持ちです。
小さくまとまるのではなく、SmartHRだからできるチャレンジがしたい

今回こうして賞をいただいたことは、ひとつのゴールにたどり着いた、ということだと感じますが、まだまだ小さくまとまりたくないと感じています。
以前AIチームの方針をブログに書いたことがあるんですが、「日本の企業を成長させ、GDPを上げる」ということをSmartHRとAIチームで実現するぞと書いたのですが、これは結構真剣に目指さないとダメだなと思っているんです。
どうせこの時代にスタートアップやるんだったら、ゼロの桁を何個もプラスするようなチャレンジをしたいですね。ものづくりに関わる人間なので、今までに本当になかったジャンルの、ぶっちぎりでイケているプロダクトを作りたいなと思っています。
全く今までになかったもので、ゼロの桁が段違いな成果を出す。これが今の目標です。
SmartHRは日本のスタートアップの中でも、そういう目標を実現するのに理想的な環境かなと思っています。なのでゲームに勝ち切って、 社会にポジティブなインパクトを起こせるようにしていきたいです!
金岡さんについてもっとわかる「一問一答」
①普段、何で情報収集をしていますか?(本やアプリ、媒体などおすすめのもの) | ChatGPT Pulse、本(めっちゃ読むかも)、各種Deep Research |
②座右の銘(好きな言葉)はありますか? | 「自分が作りたい曲とと人が共感する曲を一致させられるのがプロ」 |
③未来の自分はどうなっていると思いますか? | 娘無限課金ジジイ |
④行き詰まったときのリフレッシュ方法を教えてください | 散歩、スーパー銭湯、酒、家族と遊ぶ、思いっきり趣味のインプット |
⑤ロジカルなタイプですか? それとも情熱的なタイプですか? | 結構情熱的だと思うのですが、評価アンケートで「言動はイケイケなのに意思決定はデータ見て緻密」って言われてよく見てるなと思って草生えました |
⑥一番仕事に集中できる場所は? | 家の仕事部屋かな〜 |
⑦アイディアが浮かぶのはどんなときですか? | たくさんインプットした直後。カンファレンスとか本とか。凡事徹底、日々の努力に勝るものなし。 |
⑧仕事をするときに欠かせないアイテムはありますか? | ヘッドホン、トラックボールのマウス |
⑨考えをまとめるときは、ドキュメントで整理しますか? 図や絵で整理しますか? | 直感を図で整理してからのドキュメントかも。ドキュメントはいっぱい書きます |
⑩仕事をしていて一番テンションが上がるのはどんなときですか? | 目標達成まであとわずかのダッシュボードを更新している瞬間。最高に生きてるって感じがする。 |





