SmartHRは2024年まで中途採用のみで組織を拡大してきたため、2025年に初めての新卒の受け入れを行いました。まだまだ成長フェーズにあるSmartHRで働くことを楽しみ、ともにカルチャーを作っていく仲間として入社した彼らを、社内では「0期生」と呼んでいます。
彼らがいまどんな仕事に携わり、何を感じながら日々を過ごしているのか。0期生のプロダクトデザイナーとして入社したminamiさんと、メンターを務めるwentzさんに、この半年を振り返っていただきました。
minamiさん(写真右)
プロダクトデザイン統括本部プロダクトデザイン本部 Member
2025年4月入社
wentzさん(写真左)
プロダクトデザイン統括本部|プロダクトデザイン本部 Manager
2021年4月入社「え、もう?」入社3ヶ月でメインデザイナーに
── 入社してまもなく半年ですね。半年働いてみて、入社前のイメージと実際の業務でギャップを感じたことはありますか?
minami:ギャップというより、思った以上に早くから任せてもらえてるなという驚きはありますね。 wentzさんをはじめ、皆さんに気軽に相談できる環境ではあるんですが、基本的に「まずは自分から動く」スタンス。かなり早い段階から「キャリア台帳機能のメインデザイナーはあなたですよ」という扱いをしてもらえたなと。
── 担当されているキャリア台帳はどういった機能ですか?
minami:評価、エンゲージメント、スキルといったタレントマネジメントの促進に必要な情報を、人事やマネージャーがいつでも確認できる機能です。閲覧できる従業員の範囲や、表示する情報を細かく設定できるので、役割に合わせて情報を開示できる点が強みですね。
── 具体的にいつ頃からメインデザイナーに?
minami:5月の中旬頃の、入社研修の後半からOJTとしてキャリア台帳の開発に加わりました。最初は先輩のサポートでしたが、夏にはもうメイン担当として動いていたと思います。
── OJT開始からわずか3ヶ月ほどですよね。
minami:流れで自然とそうなったんですけど、今思い返すと「え、もう?」って感じですね(笑)。もっとこう……wentzさんから手取り足取り指示を受ける期間が長いのかなと思っていました。

── かなり早めのアサインかなと感じますが、wentzさんの思惑や意図を教えていただけますか?
wentz:そうですね。例えばそれなりの規模感の企業では、2年くらいかけてじっくり新卒を育てていくこともある、と聞いたことがあります。
でも、プロダクトデザインには決まった「型」があるわけではありません。考え方や作り方の話を延々とするより、「実践で任せて、たくさん失敗しながら学びを得てもらう」のが圧倒的に速い、と考えていました。 もちろん、minami さんを見ていて「彼女なら全然できる」と思えたので、安心して任せたというのも大きいですけどね。
──「方法論よりも実践」というのは、SmartHRのデザイン組織特有の考え方ですか?
wentz:組織としての考えもありますが、この育成方針自体は私が3年くらい前から考えていたもので、その構想段階から「経験学習」を中心に設計していました。もちろん共通言語としての知識は最初に伝えますが、知識として知っていることと、実際にやってみて得られる経験値は別物です。「最初のやり方は伝えますが、あとは自分でやってみて感じてください」というのが、全体を通底する研修方針ですね。
特に今のSmartHRにいる中途のプロダクトデザイナーは、体系的に学んだ人だけでなく、独学や叩き上げでやってきた人も多いんです。だからこそ、統一された教え方に固執しない、という側面もあると思います。

── wentzさんが「minami さんなら任せられる」と確信したのはどのタイミングでしたか?
wentz:minamiさんが入社してすぐ、4月の段階ですね。デザイナーレビュー会に参加してもらった時に、課題に対して、色々なUI案を出して検討するタイミングがありました。minamiさんは、その時点ですでにもう手を動かしてUIのパターンを作ったりしていて。「え、まだ2週間だよ? もうできてるじゃん」と(笑)。 手がめちゃくちゃ早いし、課題をこなすだけではなく、こう思ったけどどうでしょう、という提案もできていた。
OJTが始まってからも、課題に対して手段にとらわれずに、自分に足りないものは人に聞きながら泥臭くやっていく姿勢を見て、私はすごく仰天した記憶があります。
💡デザインレビュー会
プロダクトデザイナー同士で制作物や課題を持ち寄り、フィードバックし合う場。「全体会(週2回)」と、担当ドメイン領域ごとの「ユニット会(週2回)」があり、困った時にすぐ相談できる仕組みが整っています。── minamiさんは、研修の中で印象に残っていることはありますか?
minami:4月の一連の研修で、プロダクト開発の流れや情報設計の基礎を知ることができたのは大きかったです。
研修中に少し時間の余裕があったので、ウェブの仕組みを理解したい、と先輩に相談したら「自分でコードを書いてみたら?」とアドバイスを頂き、エンジニアリングの勉強をしてコードを書いてみることにも挑戦してみました。実際にやってみたおかげで、GitHubの研修とかエンジニアさんの会話が「1ミリぐらい」分かるようになったのは良かったなと思います(笑)。
── 0期生で集まる「新卒共有会」も自発的に開催していると聞きました。
minami:そうですね。同期とは、それぞれの部署に配属後は話す機会が減ってしまうので、週に1回、各々がやってることの共有や悩みの相談、目標の進捗確認をする場を設けています。

ユーザーの生の声を聞くことで、進むべき方向が見えてくる
── 配属の話に戻りますが、minamiさんが「キャリア台帳」担当になった背景は?
wentz:特別「新卒だから」というわけではなく、その時に必要なポジションの担当者としてアサインしました。
ただ当時、「キャリア台帳」はUIデザイン使用性レビューを経て、明確に課題があることは分かっていたけれど、どうあるべきかという理想像が見えていない状態でした。 そこで手段からではなく本質を考えて検討できるminami さんなら、理想像を描いて提案していく役割を託せるんじゃないかという期待がありました。
── minamiさんは、実際に担当してみてどうでしたか?
minami:最初はかなり難しかったですね。「プロダクトとして次に何を目指していくか」が見えていない状態で……。「ユーザーヒアリングをした方がいいかもしれない」と感じつつも、それをチームにうまく提案できずに停滞してしまった時期もありました。
── その状況をどうやって打開したんですか?
minami:別のデザイナーの方に相談した時に、「ヒアリングで何が得られるか、どういう良いことがあるか、チームにまだ伝わっていないんじゃないかな? きちんと説明して、遠慮せずに『やりたい』って伝えてみたら?」と背中を押してもらって。
改めて、目的や質問項目を考え提案してみたら、チームのみんなも「いいんじゃない」と受け入れてくれました。結果として、断片的な情報ではなく、自分たちでヒアリングをした「ユーザーの生の声」を材料に考えることができ、「どの企業でも同じ悩みを抱えていそうだ」という気づきから、進むべき方向性が見えたんです。
── 入社してすぐ、チームを巻き込んで新しい動きを作るのは勇気がいりそうです。
wentz:実は当時、チーム体制の過渡期で、誰が旗振り役をするかが一時的に定まっていない状況でした。普通なら動きづらい場面ですが、逆に言えば「デザイナーがプロダクトの意思決定まで踏み込める余白」があったとも言えます。
そこでminamiさんが率先してビジネスサイドやカスタマーサクセスと直接交渉して動いてくれたことは正直、期待以上の働きでした。

──ユーザーヒアリングからは、どんな課題が見えてきましたか?
minami:開発中なので詳しくはお話できないんですが、権限や情報の透明性の課題に向き合っています。従業員の皆さんが大切な情報を入力する際に、「誰が、どの情報を見ることができるのか」が分からない状態だと、安心して情報を残せません。そうした信頼性をどう担保するか、という根本的な課題を紐解いている段階です。
──その検討の中で、印象に残っている周囲からのフィードバックはありますか?
minami:wentzさんに言われた「課題を大きく捉えすぎている」という指摘が印象的でした。
wentz:minamiさんが「キャリア台帳の全体像も、特定の機能改善もやらなきゃ」と、いろんな課題を丸っとひとつの巨大な塊として捉えてしまって、身動きが取れなくなっているように見えたんです。だから「もう少し分解して、ひとつずつ紐解いていこうか」という話をしました。
minami:まさに、何にフォーカスすべきか自分でも分からなくなっていた時に、分解して整理してもらえて、すごく助かりました。
wentz:minamiさんはスキルも高いし自律的に動けるので、私がフィードバックするのはUIの細かい指摘よりも、こうした「今どこから解決していくべきか」という交通整理がメインになっていますね。
点と点が繋がることで、正解に辿り着くスピードが加速する
── 入社3ヶ月でメインデザイナーとなり、半年現場で揉まれてみて、改めてSmartHRの仕事はどうですか?
minami:「楽しい」と「難しい」が半々くらいですね。
ひとつのプロダクトに深く入り込めるのが、楽しいところです。
特に今は、仕様が決まった画面を作る前の何を作るべきなのか、という要件を明確にする初期段階から関われているので。 単に決まった仕様で使いやすいUIを作るだけでなく、「いいものを作って売りたい」という想いで、上流工程からチーム全員で議論できる。デザイナーとしてそこまで踏み込めるのは、すごくワクワクします。
一方で難しいと感じるのは、プロダクトだけでなく全体最適を視野に入れる時ですね。 ロードマップとの整合性や他プロダクトとの連携など、考慮すべき要素が複雑に絡み合ってくるので、一筋縄ではいかないなと感じます。
💡マルチプロダクト開発の難しさ
SmartHRは「労務管理」や「タレントマネジメント」、「情シス」など複数のプロダクト群で構成されています。そのため、1つの機能を開発する際も、他プロダクトとのデータ連携やUIの一貫性、開発ロードマップの同期など、プロダクトを横断した広い視野での検討(全体最適)が求められます。── この期間で「成長できたな」「変わったな」と思うところは?
minami:「点と点が繋がってきた」感覚があります。 以前は全然わからなかった情報設計や概念モデルが、少しずつ自分で書けるようになってきたり、自分の担当外のプロダクトの話を聞いても、「あ、PMの人はこういう戦略で考えてるんだな」と理解できるようになったり。 デザイナーとして最終的にUIに責任を持つのは変わりませんが、それを実現するために考えられる範囲が広がって、正解にたどり着くスピードが上がってきた気がします。
wentz:見ていても、検討の精度が格段に上がりましたね。 以前はFigma上に膨大な検討の跡があって、探索的にやっている感じでしたが、最近は「ここがポイントだよね」とチームをリードできるようになってきている。すごく心強いです。
没入できる「こだわり」を持った人と働きたい
── 半年でここまで成長していたら、この先がますます楽しみですね! 最後に、新しい仲間を迎えるとしたら、どんな人と働きたいですか?
minami:何か「こだわり」がある人と働けたら嬉しいです。0期生のみんなもそうで、それぞれ違ったこだわりを持っています。
例えば、同期のプロダクトデザイナーであるnaoyaさんはモバイルUIへの探究心が強くて、自分でコードも書いていきたいという姿勢がある。reoさんはアクセシビリティへの情熱があって、社内外のコミュニケーションの場づくりにも積極的です。
私自身は「労務領域をやりたい!」という特定ドメインへのこだわりがありますが、分野は何でもいいんです。「これがやりたい」という軸を持っている人と一緒に働けると、刺激をもらえて楽しいなと思います。
wentz:私も「自分が没入できる何か」を持っている人がいいです。プロダクトデザインに関係なくても、その人自身の原動力になるような「何か」を持っていて、それを楽しそうに語ってくれる人と一緒に働きたいですね。
── たしかに、話してみると「え、そういうことが好きなんだ!」「こんなことも詳しいの?!」と、意外なこだわりを持っているメンバーが多いですよね。私もそんな方と出会えるのが楽しみです。お二人とも、本日はありがとうございました!

取材・文・写真/@ysym(プロダクトデザイン統括本部)





