大学卒業後、前職にて中小企業向けの資金調達サービス、課金基盤、確定申告の開発などに従事。2025年7月、時短勤務という形でSmartHRに入社。
現在は、プロダクトエンジニアとして、年末調整のプロダクトを担当するチームのチーフを務める。人事評価やメンバーの育成、開発を行う傍ら、運用の効率化や開発プロセスのルール変更、会議体のアジェンダ見直しなど、チームの組織改善にも積極的に取り組む。
「今しかできない時間」を守るキャリア。SmartHRを選んだ理由
ー そもそもプロダクトエンジニアのキャリアを選んだ理由を教えてください。
椎名さん: 元々、お母さんになるのが夢でした。専業主婦ではなく働き続けたいという思いから、子育てと両立できる職業を探した結果、IT・エンジニア系であればどこでも働けるため、子どもとの時間も取りやすいという結論に至りました。また、高校時代にJavaScriptなど情報系の授業が好きだったことや、子どもの頃に経験したパソコンのトラブルで「もうパソコンのことで悩みたくない」というトラウマのような気持ちから技術を学んだ側面も、エンジニアの道を選んだ大きな理由です。
ー SmartHRへ転職しようと思ったきっかけ、そして決め手は何でしたか?
椎名さん: 前職では子どもが生まれた時に週2回の出社がきついと感じ、フルリモートの会社を探し始めたのがきっかけです。最終的な決め手はプロダクトの良さで、特にSmartHRの年末調整機能がアンケート形式で非常に分かりやすく、使いやすさに感動したのが強く印象に残っています。
私は一緒に働く人も重視していたのですが、面接時にお会いした社員からクールな印象を受けて、正直不安になったんです。
その不安を伝えたところ、アサイン予定のチームとのアトラクト面談を組んでもらえました。そこで実際の雰囲気が「ほんわかした雰囲気」だと分かり、「ここならやっていけそう」と安心できたのが、最終的な決め手になりました。

ー 入社前に持っていたイメージと、入社後のギャップはありましたか?
椎名さん: 良い点としては、チームビルディングや歓迎会の制度があり、新しく入ってくれた人を歓迎しようという「ウェルカムムード」が強く、迎え入れられていると感じられる文化があるところです。
ギャップだったのは、想像よりもスタートアップ感が残っていて、開発フローにレールが敷かれていなかったこと。前職ではすべてかっちり決まっていたので、全く違いました。
また、エンジニアの裁量が非常に大きく、デザインや文言の決定、QA(品質チェック・テスト)までプロダクトエンジニアが担当し、PO(プロダクトオーナー)の役割の一部もエンジニアが担います。幅広い領域に挑戦できるため「何でもできるようにならなきゃ」という状況ですが、これは品質向上や幅広い経験を通じて成長したい人にとっては理想的な環境です。業務量は多く、慣れるまでは負荷が高い側面もありましたが、その分、濃密な成長につながると感じています。
時間制約を乗り越えるマネジメント論。「ボールを手放す」権限委譲と家庭内チームビルディング
ー 椎名さんは入社されてからずっと時短勤務でいらっしゃいますよね。具体的にどんな時間帯やスタイルで働かれているか、教えていただけますか?
椎名さん: トータルの勤務時間は時短で7時間です。朝9時前後に出勤し、4時半頃まで働いて、一旦中抜けします。その後、子どもの事情で戻れない時もありますが、可能な限り戻ってきて、夜8時から9時までには必ず仕事を終えています。
ー 時短でマネジメント業務をするうえで、特に悩むことはありますか?
椎名さん: やはりフルタイムのメンバーと比べると、圧倒的に時間が足りません。リソースが育児にも割かれるため、突然の保育園からの呼び出しや、子どもの病気で突発的に休まなければならないことがあります。
その結果、仕事が計画通りに進まなくなることもあり「チーフなのに、もっとチームに貢献できていないのではないか」と感じてしまうことは多いですね。
ー 限られた時間で成果を出すために、どのような工夫をされていますか?
椎名さん: まず、実行タスクはメンバーに積極的に権限委譲することを徹底しています。ボールを手放せる体制にするよう、自分は「ビジョンだけを語り、チームの方針を意識づける」といったマネジメントの役割に注力しています。
「うまくいかなかったらそれも学びと捉える」という持論のもと、深刻に考えすぎず、まずはやってみようという精神を大事にし、チームの風潮としても根付かせています。

家庭でも、育児を「チームとして属人性を排除」することを意識しています。
夫と相談し、残業が少ない会社に転職してもらったことで、今は夫が夜の育児を担当している間に私が仕事をしています。
私じゃなきゃだめという状況を作らないよう、子どもが小さい頃から夫との時間も取ってもらっているんです。家庭のタスクも情報連携や引き継ぎを行い、仕事のマネジメント手法を取り入れて管理しています。
個人的には、マネジメントと育児は似ていると感じていて、子どもの得意なところを見つけて伸ばすように、メンバーに対しても「実はできること」を見つけて任せ、挑戦の機会を与えて成長を促しています。
両立を可能にした意思決定の軸と、SmartHRの「理解ある」開発環境
ー 女性かつ子育て中のプロダクトエンジニアというロールモデルは少ないと思いますが、何か悩みや気になる点はありますか?
椎名さん: 悩みとまではいかないのですが、他の皆さんがどうやって仕事と両立し、子どもとの時間を確保しているんだろう、ということは純粋に気になります。
そうした中で、仕事と育児の両立で迷う時、何を優先するか、そして迷いを断ち切るための軸はどこに置いていますか?
椎名さん: 意思決定の軸は「自分が今どうしたいか」しかないと考えています。人生は一度きりなので、「今しかできない子どもとの時間」を最優先し、その気持ちを軸に環境を変える決断をしました。転職もこの考えに基づいています。
また、悩みや迷いが生じた時は、「悩んでもしょうがないから、これでやるしかない」と割り切るマインドです。今できることを精一杯やろうと考え、今できないならしょうがないと割り切って邁進しています。

ー SmartHRの制度や仕組み、チームの理解という面で、椎名さんが特に「助けになっている」と実感している点はありますか?
椎名さん: 看護休暇とフルフレックスが特に助かっています。
看護休暇は、転職直後で有給が少ない時期に5日間休みが取れるのがありがたかったですし、フルフレックスのおかげで子どもを病院に連れて行く際などに中抜けがしやすく、全休にしなくて済むため非常に助かっています。
そして、周囲の環境も大きいですね。チーム内に子育てをしている人が何人かいるので、育児の大変さに対する理解度がとても高いと感じます。 休みをお願いしても「大丈夫です」という雰囲気で、気負わずに働きやすいです。
また、エンジニア職はスクラム開発で、その週のタスク内容を全員で認識合わせしてから進めるため、タスクの透明性が高いのもポイントです。 誰かが突発的に休んでも、他のメンバーがサポートし合える環境なので、育児との両立がしやすい職種だと感じています。
入社半年でチーフに。カオスな環境を濃密な成長に変える挑戦と未来
ー SmartHRに入って、特にチャレンジングだった経験はありますか?
椎名さん: まず、小さい子どもがいる身での転職自体が大きなチャレンジでした。
入社半年でチーフに任命されたことも驚きでした。
入社前からマネジメントの意向は伝えていましたが、こんなにも早いんだと(笑)。
チーフになったことで、前職では出たことがなかった評価会議に出席するなど、重責を担うようになりました。メンバーの評価に責任を持ち、適性やスキル、モチベーションを把握し、対外的に評価を説明できることは、マネジメントの最も大切な仕事だと感じています。
また、チームの運用フローが定まっていない環境で、前職で培った知識を活かして開発フローを新しく定めたり、ドラスティックに変えていったりすることも、大きな成長につながっています。

椎名さん: SmartHRには「プロダクトを良くしたい」というモチベーションが高いメンバーが非常に多いんです。誰かが決めたことをやるのではなく、みんなで効率を上げるためにどうしたらいいかを考えて実行する文化が根付いています。また、チーム運用自体がチームに任されているため、自分が良いと思うフローを積極的に提案でき、チームメンバーが良しとすればすぐに変えられる環境にあることも、仕事を進める上で非常に大きな支えになっています。
ー 今後、会社として伸びしろだと思う点はどんなところでしょうか?
椎名さん: SmartHRのプロダクトは歴史が長くなってきており、パフォーマンス悪化などの課題も見られます。今後は新しい機能開発だけでなく、コードの改修や「技術的負債の解消」をロードマップに組み込み、実行できるようになれば、会社としてさらに成長できる余地があると考えています。
ー 今後挑戦したいテーマ、野望についてお聞かせください。
椎名さん: まず、会社として伸びしろだと感じている技術的負債の解消には、積極的に取り組んでいきたいと考えています。これはエンジニアから提言しないと伝わりにくい課題なので、まずはチームから解消に取り組み、将来的には全社的なロードマップに組み込んで実行していきたいです。
キャリアと開発プロセスの変革としては、開発もしていきたいため、開発ができなくなるEM(エンジニアリングマネージャー)になることには葛藤もありますが、挑戦してみたい気持ちもあります。
また、今後はAIによって開発プロセスが大きく変わっていく転換期を迎えると考えています。そのプロセスをチームメンバーと一緒に考え、変えていくことにチャレンジできるのはとても楽しみです。
そして、マネジメントとしての野望は、子育てしている人も安心して働けるような上司になりたいということです。両立に悩む人に寄り添い、その人たちが無理なくやりたいこと、できそうなことに挑戦できるようサポートするマネージャーになりたいですね。
ー 最後に、入社を検討している人に一言お願いします!
椎名さん: SmartHRは優しい人が多く、子育てに対する理解もあるため、気負わずに働ける環境です。何でも話せる雰囲気があるからこそ、高いモチベーションを持って挑戦できるのだと感じています。
周囲にはプロダクトを良くしたいという意欲が高いメンバーが多いため、日々刺激を受けながら働くことができます。
また、私のように一次面接で硬い印象を受けても(笑)、実はフランクでユーモアのある一面を見せる人が多い、温かい職場なので安心してください。

取材/文 Tomari(DEIBユニット)
写真 Miranda(カルチャー室)





